五輪書 風の巻 他流に、足つかひある事
他流について
この巻ではわが一流のことではなく、各流派のことをしるす。
風というのは、昔風とか、今風とか、それぞれの家風、などと使われる。
他をよく知らなければ、自己を知ることは出来ない。
真実の道をきわめないと、初めの少しのゆがみが、あとには大きくゆがむものである。
○他流に、足つかひある事
足のふみやうに、浮足、飛足、はぬる足、ふみつむるあし、からす足などといひて、色々さつそくをふむ事あり。
是皆、我兵法より見ては、不足におもふ所也。
我兵法において、足に替る事なし。
常の道をあゆむがごとし。
敵の拍子にしたがひ、いそぐ時、静なる時の、身の位を得て、たらず、あまらず、足のしどろになきやうにあるべき也。
護身術においても重要である。
他流では足のふみ方に、浮足、飛足、はね足、ふみつける足、からす足などといって、いろいろと、足を素早くつかう法がある。
わが兵法から見るならば、これらは不十分なものと思われる。
我兵法においては、平常の場合と変わることはない。
ふだん道を歩むように、敵の拍子に応じ、急ぐとき、静かなときと、体の状態にあわせて、足らず、余らず、足が乱れることのないようにすべきである。
護身術であれば外なので、足場の悪いところも多いので、飛んだり、はねたりの足使いは気をつけないといけないのである。
平常の場合と変わることなく、平常心
#五輪書
#二刀流
#兵法35箇条
#兵法三十五箇条
#宮本武蔵
#地の巻
#水の巻
#火の巻
#風の巻
#地水火風空